この夏の成果4:西鎌尾根~千丈乗越〜奥丸山〜槍平〜新穂高

 

西鎌尾根に悶絶

日の出を楽しんだ後、行きと同じルート(鏡平経由)で新穂高に戻るか、西鎌尾根を行き槍平経由で戻るか少し考えてみた。
西鎌経由だと、10時間近くの行程になるかもしれないので、少し迷ったが、あまりの晴れっぷりに二度とこんな天気の良さには巡り会えないかも、と長い道を選ぶ。
樅沢岳に登りかけ、振り返ってみると、双六岳も小屋も朝のクリアな空気に鮮明に浮かび上がっていた。

1時間弱で山頂へ。
双六は、もう下になっていた。

進行方向を向くと、逆光の槍ヶ岳が見える。

いつもとは違う角度から見る槍の姿は新鮮だけど、そもそもいつも見ている槍も、一般的には裏槍か。
とか思いつつも、そこに通じる稜線のほとんどを行かなくちゃならないと考えると、かなり遠い道のりに見える。
それでも今日の行程の約3分の1だと、ちょっと不安が募る。
さらに行くとーー

奥丸山ごしにそびえた穂高連峰が間近に迫ってくる。右奥には焼岳ごしの乗鞍も。

少し右に視線をずらすと右に笠ヶ岳、正面下に奥丸山、奥に乗鞍が見える。真ん中にぽつんとある赤い点は、鏡平小屋の屋根。

トレイルが稜線の反対側に至ると、今度は、硫黄岳、赤岳の猛々しい姿が目に入る。

もう一度、槍。少し、日が昇ってきた。

この辺りまでは順調に歩を進められたが、硫黄の頭を過ぎた辺りから、鎖場などが増え、
結構やっかい。よって写真は割愛。
そして、なんとか分岐の千丈沢乗越へ。槍間近、でも今日は行っている時間はないのが残念。

途中の休憩を含んで、双六小屋からコースタイム通りの約3時間30分。

 

千丈乗越〜奥丸山〜槍平〜新穂高

千丈乗越から槍に行くつもりはなかったけれども、まだ選択肢は2つある。
大喰沢に下り、槍平を行く最短コースを行くか、奥丸山を経由するか。
足の調子が良いということで、若干遠回りの後者を選ぶ。
だって、奥丸山って、下りのついでにでも寄っていかなければ、単体では一生登りそうもないので。

写真にうっすらと見えている筋がそのトレイル。
高低差はないので、楽だろうと思ったのだけど、これが思いの外、やっかいな道だった。
あまり歩く人も少ないのか、雑草やクマザサに隠れて、どこが道かがわかりづらい。
で、道から外れると、意外とすぐ絶壁だったりもする。
なんとなくラオスのジャングルトレックを思い出すような道。
慎重に歩を進め、約1時間半で、奥丸山山頂付近に。

ここは、北アルプスの360度の展望が得られることで知られている。
北側には槍。

西側には穂高連峰。

東側には笠ヶ岳。

で、南側には焼岳、乗鞍と見えるのだけど、写真には撮り忘れた。
正確に言えば、東南の20〜30度くらいは谷で、山はないので、330度くらいの眺望だったけどね。
少し休んで、分岐から槍平方面に降りていく。
勾配は少しあるけど、あまり特徴のないトレイル。登るとちょっときついだろうけど。
まあ、せめて、そこで見つけたきのこの写真でも。

ここもコースタイム通りの45分で歩き、槍平小屋に。
お腹が空いていたので、中華丼を。山小屋価格の割には、とりたてて特徴のない味。
食材の運搬などが大変なのは百も承知の上で言えば、食べ物だけで、その小屋に行きたくなるような名物をつくらなくて、山小屋の経営は大丈夫なのかなと、いらぬ心配をしたくなった。
B級でもA級でもいいのだけど、この夏は美味しい物には出会わなかったなぁ。
新穂高を目指して、右俣を淡々と歩く。
途中、沢をいくつか渡るが、奥穂高登山道の付近で、ジャンダルムが見えた。

予想通り10時間ほど歩き、新穂高のバス停へ。
よくも足は順調にもったなと思っていたら、バス停のベンチに座った途端、足が動かなくなった。
アドレナリンって不思議なものということかな。

 

森 薫

雑誌編集者、webコンテンツディレクターを経て独立。コロナ禍を機に半農半X生活へ移行、「X」は表向きライター業、実際は単なる車中泊トラベラー?!

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