エレアコなどピエゾ・ピックアップで使えるペダル・エフェクターまとめ

楽器

 

エレアコ/ピエゾ・サウンドのエフェクターと言うと、アコースティックらしさを再現する効果に主眼が置かれます。

でも、もっと視野を広げてみれば、エレアコの使い方の可能性が広がるのでは?

そこで、ここでは多彩な表現を獲得する、攻めのエフェクターに注目したいと思います。

 

アコースティックサウンドに使えるエフェクターを探して

ジャンクで眠っていた「YAMAHA SG-RR Custom」を再生させる際に、思わぬご褒美だったのは、ピエゾ・ピックアップが生きていたこと。

 

このピエゾ・サウンドを最大限に生かそうと、エレアコ系の機材の充実化中。

プリアンプ/エンハンサーなど基本の音作りは別ページにまとめましたが、このページでは、音に変化を付ける言葉通りのエフェクターをフィーチャーします。

 

エレアコ定番エフェクター

エレアコで使うエフェクターとして定番なのは——

  • コンプレッサー
  • モデュレーション系(コーラス・トレモロなど)
  • 空間系(ディレイ・リバーブ)

になるでしょう。

プリアンプや、アコースティックアンプなどにビルトインされていることも多いので、単体で使う機会は少ないかもしれませんが、いくつかピックアップしておきます。

 

 

BOSS(ボス)「CP-1X Compressor」/コンプレッサー

実勢価格:17,000円前後~

 

ギター用エフェクターをアコースティックに使う際に注意しなければならないのは、周波数特性の違いです。

エレキギターは中音域のかなり狭い範囲を強調する特性を持っているので、そこにターゲットを絞った設計をしたエフェクターだと、意図しない歪みが発生してしまいます。

デジタルの空間系エフェクターは概ね大丈夫なのですが、とくに気を付けなくてはならないのは、コンプに代表されるダイナミクス系です。

その意味で安心してアコースティックでも使えるコンプの1つが、この「CP-1X」です。

 

特徴としては、ローランドの最先端・多次元的信号処理技術“MDP”(Multi-Dimensional Processing)を採用していること。

スタジオクオリティのコンパクトペダル・サイズに納めています。

また、コンプ特有のノイズが取り除かれているところも、アコースティック楽器と相性の良さの一因となっています。

 

 

 

MOOER(ムーアー)「Baby Water」/コーラス・ディレイ

実勢価格:7,500円前後~

 

アコースティックギターのために作られたミニサイズのコーラス/ディレイ・ペダル。

5モードを搭載し、コーラス/ディレイ/コーラス + ディレイといったサウンドを切り替えて使用することができます。

 

アコギ用に設計されたモデルとのことですが、音の設定より、エレアコに使いやすい空間系をコンパクトにまとめられているというメリットが大きいでしょう。

音質に関しては、必要十分といった印象。

基本とも言えるエフェクトばかりですし、エフェクト付きの多機能なプリアンプやアコースティックアンプを持っている方は、わざわざ買う必要はないと思います。

単体で組んでいる方や、内蔵プリアンプで気に入った音が出るエレアコを持っている方が、ちょっとした色付けに使うには役立つペダルです。

 

 

 

ペダル・ルーパー

アコースティックギターでルーパーを使うプレイヤーは増えてきました。

ルーパーに関しては、練習用や軽い味付けとして使うか、ライブパフォーマンスを本格的にやるかの両極で考えて、選んでいけば良いと思います。

前者はシンプルな使いやすさ、後者は機能性と操作性という軸で選んでいけば、理想のルーパーが見つけやすくなります。

 

TC ELECTRONIC(ティーシーエレクトロニック)「Ditto Looper」

実勢価格:15,000円~

 

とくに空間系エフェクターでの評価が高いTC ELECTRONICによる超小型ルーパー。

ワンスイッチで操作できるシンプルなインターフェイスが特徴です。

 

トゥルーバイパス/アナログドライスルー/非圧縮24ビットオーディオなど基本性能に抜かりはありません。

ループタイムの上限は5分で、アンドゥ/リドゥと無制限のオーバーダブ回数に対応しています。

初心者の練習用として、あるいは即興でループを組める熟練プレイヤーまで、使い勝手のいいルーパーです。

 

 

 

Mooer(ムーアー)「GROOVE LOOP X2」

My Select

実勢価格:19,000円前後~

 

練習用と本番用の中間をつなぐカテゴリーで、おすすめのモデル。

自分が弾いたフレーズを客観的に聴くことになるルーパーは、練習にも役立つとされていますが、リズムマシン付きですので、さらにリズム感を磨けるでしょう。

 

ルーパー機能に関しては十分すぎるスペックです。

最大10分までのループを14種類保存可能ですので、合計140分の容量があります。

リズムパターンは、12ジャンルで各12パターンの計121タイプを収録。

自動検出で、ドラムマシンとルーパーの同期も可能なので、ライブにおいても重宝します。

また、オーディオプレイバックとドラムマシンを個別にアウトプット可能なので、アンプとPAなどに振り分ければ、音の分離を確保できます。

ただ、バリエーションは十分ありますが、曲の抑揚を付けるのが難しいので、ライブで使うにはアレンジの妙が必要かもしれません。

 

 

 

BOSS(ボス)「RC-10R RHYTHM LOOP STATION」

実勢価格:35,000円前後~

 

ルーパーをメインにしたサウンド・パフォーマンスをするなら、

こちらもルーパーとリズム・マシンが融合したモデルですが、フレーズごとにフットスイッチで引き出すことができますので、Aメロ→ブリッジ→Bメロなど、パートごとにフレーズを引き出すことも可能です。

 

 

 

 

飛び道具系エフェクター

エレアコなどピエゾPUで使うと面白いエフェクターをリストアップ。

バンド・アンサンブルで考えると色モノ、飛び道具の範疇に入るでしょうが、あなどれません。

この個性的なサウンドを軸に、コンセプチャルなプロジェクトを組みたくなるような個性派を選りすぐりました。

 

BOSS(ボス)「OC-5」/オクターバー

My Select

実勢価格:,16,500円前後~

 

オクターバーと言えば、これまでエレハモの「POG」シリーズしか眼中にありませんでした。

サウンドのクセに好き嫌いはあるでしょうが、レイテンシーの無さは抜群。

このクオリティは、唯一無二の存在だと思っていたのですが。

そこに食い込んできたのが、BOSSの最新機種「OC-5」です。

 

この「OC-5」の最新機能が秀逸です。

ポリフォニックに対応するPOLYモードでは、RANGEノブでエフェクトのかかる帯域を指定できるのですが、LOWESTに設定すると、和音の最低音のみに1オクターブ下の音を出すことができます。

動画の中でも使われていますが、ソロギターで、低音弦のベースラインにのみオクターブ下の音を出すと、サウンドの深さは絶品。

さらに使われているバッファーが、以前とは変わっているようです。

賛否両論あったボスのバイパス音ですが、そこが改善されているので、BOSSのペダルも使いやすくなりました。

 

 

ちなみに、POG2も紹介しておきます。

 

 

FENDER(フェンダー)「Smolder Acoustic Overdrive」/オーバードライブ

実勢価格:18,000円前後~

 

エフェクターの基本である歪み系ですが、アコースティックに関しては飛び道具も飛び道具。

エレアコ専用のオーバードライブなんて、今まで見たことなかったのですが、フェンダーがやってくれました。

 

実はナイロン弦のエレガットと歪みは非常にマッチすると考えているのですが、スチール弦のエレアコでは、上手く融合しませんでした。

多くの場合が、歪みが加わることで音が膨張し、かえって創造性に欠けた非音楽的なサウンドになってしまいます。

さらに、フィードバックも出やすいですし。

その弱点を、独自のPICKUP COMPENSATION コントロールなどで、最小限に抑えています。

まだ、アコースティックで歪みを使うギタリストも少ないと思いますので、このペダルで、独自の世界を切り拓いてみては?

 

 

 

DigiTech(デジテック)「MOSAIC」/12弦ギターモジュレーター

実勢価格:30,000円~

 

12弦ギター特有のサウンドをモジュレーションしたペダル。

オクターバー/ピッチシフターの派生形でしょうが、12弦ギターの再現に特化しているところが面白いと思います。

 

ライブなどでギターを持ちかえることなく、12弦ライクなサウンドを得られるのは便利ですが、あくまでシミュレーションだと割り切るのがオススメ。

クリアトーンをきらびやかにする新たな表現として、どう使うかを考えた方が楽しめるペダルです。

使用のコツとしては、当たり前かもしれませんが、できる限りクリアトーンが美しいギターを使うことです。

良い音はダブルで響きますが、そうでない音も倍になります。

その意味で、エレアコとの相性は抜群です。

飛び道具と言えば飛び道具ですが、エレアコの空間系エフェクターはコーラス・ディレイ・リバーブという既成概念から少し外して、個性を出すのも楽しいはずです。

 

 

 

ELECTRO-HARMONIX(エレクトロハーモニックス)「RAVISH SITAR」/シタール・エミュレーター

My Select

実勢価格:38,000円~

 

こちらは、まさしく飛び道具ですね。

ギターからシタールのサウンドを得るシミュレーター、エレハモの「RAVISH SITAR」です。

 

デフォルトではエレキギターでの使用を前提に作られているようですが、これ、エレアコでも合います。

 

音をグニョグニョにさせるエフェクターだとはいえ、原音がエレアコだと、よりアコースティックっぽいニュアンスは出てきます。

 

それにしても、エレハモ、ディレイやハーモナイザーの技術からの派生したエミュレーターは独壇場ですね。

オクターバーのPOGシリーズもそうですが、レイテンシーもないですし、和音にも対応。

バンドなどでは使いどころは限られるでしょうが(というか、この音を使うためだけにユニット組みたいくらいです)、多くの倍音を含むシタールの柔軟性をギターで楽しめます。

 

 

ベース用エフェクターを転用

エレキとアコースティックでは、同じギターでも周波数特性が違うということは書きました。

アコースティックは、どちらかと言うと、エレキよりもベースのほうが近いので、ベースアンプをエレアコやフルアコで愛用する名手もいます。

それはエフェクターでもある程度当てはまる考え方で、例えばイコライザーでは、ベース用のほうが音作りをしやすかったりします。

 

MXR(エムエックスアール)「M82 Bass Envelope Filter」/オートワウ

実勢価格:20,000円~

 

ベース用ではあるのですが、ギタリストにも愛用者の多いエンベロープ・フィルター(オート・ワウ)。

ギター用のエンベロープ・フィルターは、中高音域中心にエフェクトがかかるイメージですが、ベース用なので、低音まで満遍なくエフェクトがかかるところが、ツボにはまるギタリストも多いようです。

 

コントロールは多めで、特筆すべきは、DRYとFXのツマミです。

エフェクト音のみ出力するのエンベロープフィルターが多い中、原音とエフェクト音のレベルが設定可能。

原音を残すことによって、ミャウミャウしすぎない、バランスの取りやすさが魅力です。

このペダルを使い、セミアコなどでネオソウルをやるギタリストも多くいますが、それをエレアコでやってみるのも一興です。

 

 

 

関連記事▽

 

 

 

▽機材交換の資金づくりはこちらで!

 

森 薫

雑誌編集者、webコンテンツディレクターを経て独立。コロナ禍を機に半農半X生活へ移行、「X」は表向きライター業、実際は単なる車中泊トラベラー?!

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


TOP