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10年くらいギターを触っていなかったのですが、思うところがあって本気でギターを弾こうと再開したのですが。
世の流れと言うものは早いもので、機材の主流が大幅に変わっていたりもします。
その代表的な1つが、ペダルボード/エフェクターケース。
以前はハードケースが主流だったのですが、現在は多くのギター弾きが、スノコ型なんてものを使っているじゃないですか?
これは乗り遅れたらいけないか?
と焦りつつも、実はオールすのこ型のボードにはデメリットもあるように考えていまして。
そんなわけで、今回は美味しいところ取り、つまり、半分すのこ型を導入しようと、ボードのモディファイをする際に、DIYしてみた、という話です。
一般的なハードタイプのペダルボードに、すのこ型を取り入れたい
今回、なんとかしたいのは、こちらのボード。
サイズは、内寸で約53cm×31cm。
ざっとサブのボードならこれくらい使いたいかな?と入れてみたエフェクターなどが10個だったので、十分たくさん入ってはいるのですが——。
でも、なんせ、私の場合、フルセットがデカすぎるのです。これ(↓)。
やろうとしている音楽性から、エミュレーターやらオクターバーやらを多用する必要があって、なにせエレハモがデカいw
加えて、ギターアンプを使っていないので、キャビネットシミュレーターが必要だったり、簡易のリズムマシン(ルーパー兼)も入っていたり。
そんなメインボードとは別に、ふつうにギターらしい音を鳴らすときのために、サブ・ボードを組むもうかと思ったわけです。
2列組の奥をスノコでひな壇にするプラン
結論から言うと、奥の列だけ、スノコ型のメリットを導入しようというプランを試してみることにしました。
既製品でもエフェクターを嵩上げできるアクセサリーはあるにはあるのですが。
比較的手ごろなアイテムは、一個ずつエフェクターを載せるものなんですよね。
これらを5~6個買って並べてみるという手もあるかもしれませんが、だとしたら、中古のエフェクターが1個買えるくらいの値段になっちゃうな、と(ちなみに、お金持ちだったら、ループ機能が付いたエフェクター台「LimetoneBASE」を3つ買います)。
それ以前に、ただ嵩上げするだけなら、100均で買った諸々に簡単なDIYでできちゃうじゃん、と。
実際の制作過程にいく前に、このシステムの目的、メリットを整理しておきます。
後段すのこ(ひな壇)にする狙い
狙い①:奥の列のペダルを踏みやすく
奥の一列が嵩上げされるので、足でスイッチを踏みやすくなるはず。
使い勝手が良くなるのが一番重要です。
狙い②:ギターからのin/outのケーブルの抜き差しが楽
私自身はギターからのケーブルは、まずPROVIDENCEの「STV-1JB BLK」というジャンクションボックスとしても使えるシステムチューナーに挿しています。
ただ、従来のタイプのエフェクターボードだと、プラグがボードの縁に引っかかってしまうんです。
これは、まず最初にコンプや歪みなどのエフェクターに繋ぐ方でも一緒だと思います。
ストレート・プラグを挿そうとすると、次の写真くらいのマージンは最低限必要。
エフェクターがもう一個入るスペースがあるじゃん!と。
③:電源タップやパワーサプライから多少はエフェクターを離せる
電源タップやパワーサプライの近くにエフェクターを置くと、ノイズが発生する可能性が高いと言われています。
とはいえ、なんやかんやでエフェクターをボードに詰め込みたくなるわけで、そうするとスペースがどんどん無くなっていきます。
上の現在のボードでもギッシギシですね。
嵩上げすれば、前後左右で無理なら、上下にでも多少距離を稼げるはず。
④:ケーブルが整理しやすい?
ノイズ対策なども含めて、ケーブルはきれいにまとめたほうがいいのですが、ぎっちぎちに詰めたエフェクターボードだと、どうしてもルートが少なくなって無理が出てきます。
⑤:半分以上は見えている
④の狙いと裏表な話なのですが、オールすのこ型のように裏に隠すと、見えないだけに、どうしてもいい加減になります。
また、トラブルがあったときに、何が原因かを探るのに手間がかかります。
例えば、一つジャックが抜けていたとして、大きなボードを裏返さないと、見つけることができないとか、そっちのほうが面倒じゃないですか?
材料探し
まずは、いざDAISOへ!
100円ではなかったのですが、200円商品で、こんな「桐すのこ」を見つけました。
100円のもう少しコンパクトなサイズもあったのですが、下にできる空間の高さが5~7mm程度。
ケーブルを這わせるのがやっとくらいですので、ちょっと足りないな、と。
この200円の桐すのこは、1.5㎝ほど下の空間があったので、多少の工作は必要ですが、これをベースにすることにします。
実物で設計を確認
持ち帰って、さっそくボードにあててみるとこんな感じです。
エフェクターを載せてみるとこんな感じです。
ほお、良いかも。
ダメだったら、部屋の備品にでもするかと考えていたのですが、やっちゃえ!
材料
上記の桐すのこに加えて、マジックテープとペンキ(黒)を購入。
締めて660円也。
工具(必要なら)
これをやっていたのは、出先で、工具を持っていたなかったので、必要なものも購入。
木が切れて、くっつけられればいいので、自宅に使える工具やボンドを持っている方も多いと思います。
「のこぎりカッター」と「木工用ボンド」で、締めて220円也。
と、しれっと書いてみましたが、「のこぎりカッター」なんて便利で手軽なものがあることを初めて知りました。
軽めの木材なら、ちゃんと切れますね。
仕上げの美しさにこだわるなら、それなりの「クラフトのこ」のほうが、きれいにカットできます。
作り方
では、実際に作っていきましょう。
カット①
まず、下の写真の赤丸の部分をカットします。
形としては下の部分OKですが、補強用に使いたいので、下の写真の青丸部分もカットします。
カットした棒の余り部分は、脚にしようと思います。
実際に載せて、サイズを改めて確認。
パワーサプライは、嵩上げしたくないrので(上記の狙い③)、その部分のマージンを取って、右端の緑枠部分をカットすれば、いけそうですね。
カット②:脚を補強
桐はそれほど硬い木材ではないので、デフォルトのままだと、エフェクターのスイッチを踏んだ時に、ボキッと折れそうな気もします。
その対策として、先ほどの余った棒で、脚を追加します。
高さは合っているので、木工用ボンドでくっつけるだけです。
ただ、3個しかありません。
これでも何とかなりそうですが、やはり均等にしたかったので、カットする天板の右端を高さに合わせて、それを利用することにします。
薄いので、2枚貼り合わせて、最後の脚にします。
カット③:天板のサイズを調整
上述した通り、右端をカットすれば、かたちとしては完成です。
実際にエフェクターを載せて確認します。
塗装
続いて、ペンキを塗っていきます。
今回は、できるだけ目立たないようにと黒を選びました。
もちろん木材の風合いを生かしたいなら、塗装なしでもいいですし、ほかの好きなカラーで塗ってもいいのですが、マジックテープが、たいてい黒か白しか入手できないので、きれいに見せようとしたら、結局この2択だと思います。
もう絶対に機材変更はしない(あるいは、その時は作り直す)なら、機材からはみ出ないような貼り方をすればいけるのですが、僕はころっころ変えていくので、汎用性の高さを優先しています。
ラッカースプレーなども100均にありましたが、1本では足りなくなるかも?というサイズだったので、扱いやすい木材用の水性塗料にしました。
刷毛を買い忘れたので、ティッシュでペンキを塗っていきます。
塗るというか、伸ばしていくイメージですね。
何とか塗れました。
裏はかなり適当。どうせ隠れる部分ですし。
きれいに仕上げたい方は、ケチらず刷毛を使いましょう。
一晩、乾燥させた後にボードに載せてみると、まあ、いい感じです。
塗装前の写真と代り映えはしませんが、念のため、エフェクターも載せてみます。
うまく、ボード自体の黒に馴染んでいます。
ただ、注意しなければいけないのは、嵩上げが高すぎると、エフェクターボードの閉まらなくなるリスクがあること。
実際にやってみたら、なんとか閉まりました。
ただ、ちょっとパンパンな感じ。
上の写真のように蓋側にはウレタンを入れているのですが、それを抜くとスッと閉まります。
なので、ウレタンの厚みを1cmくらい削れば、ちょうどよくなると思います。
ウレタンなしにする手もあると思いますが、まだ接着力に確証は持てないので。
持ち歩く際に、マジックテープがとれて(あるいは両面テープの部分がはがれて)ケース内がゴッチャゴチャになっているなんてことは、あるあるです。
エフェクターボードは、演奏時のためのものでもあり、運搬時の保護のためのものでもあるということは忘れないほうがいいと思います。
マジックテープを貼る
さて、仕上げです。
あとは、マジックテープのメス側をすのこに貼っていきます。
先ほども「汎用性の高さ優先」と書きましたが、エフェクターを入れ替えることも考慮して、メス側は横一列に貼っていきます。
あまり入れ替えない方なら、決め打ちで貼ってもいいと思います。
スノコ自体の固定用に、脚の裏側にも貼っていきます。
補強用に付けた脚は、固定力というより、ほかの脚と高さを合わせるためにあまったテープを適当に。
マジックテープの厚みも2㎜弱ありますので、これをやらないとぐらついて補強の意味がありません。
これで完成です!
完成したひな壇の満足度は
先に挙げた「狙い」がかなったか、まとめていきましょう。
結果①:奥の列のペダルを踏みやすく⇒ ◎
真横から見ると、後列のフットスイッチが、前列のつまみより、上に来ています。
踏む機会が少ないペダルなので、奥の列に置いているわけですが、スイッチャーを使っていない場合は、実際には、まったくスイッチを踏まないわけではないです。
結果②:ギターからのin/outのケーブルの抜き差しが楽に⇒ ◎
嵩上げしたことによって、ストレスなくプラグが挿せるようになりました。
かつ、端にギリギリまで寄せられるので、エフェクターをもう一つ置くスペースができています。
このジャンクションボックス機能を使ってこそ、PROVIDENCEの「STV-1JB BLK」にした甲斐があるわけです。
結果③:電源タップやパワーサプライから多少はエフェクターを離せる⇒ ○
願わくば、もう1㎝離したいところですが、許容範囲かな?と。
平面で見るより、上下のマージンがあって助かりました。
結果④:ケーブルが整理しやすい⇒?
結果⑤:半分以上は見えている⇒ ?
この2つに関わる配線の話は、説明すると長くなりますので、別ページにまとめます。
おまけ
あまった材料で、もう一回り小さいボード用にもすのこひな壇を作ってみました。
こちらもいい感じです。
まとめ
改めて書きますが、エフェクターケース/ボードは、多くの場合、運搬時に使うものであり、演奏時に使うものでもあります。
つまり、堅牢性と利便性の両方の視点から考えていくべきだということ。
その意味では、実際にやってみて、部分的なDIYは悪くない選択だなと実感しました。
ただし――。
自作のエフェクターボードに関する情報はネットでも多く出てきます。
多くの場合、利便性だけ考えればいいので、自宅で使う分にはじゅうぶんなのですが、持ち運ぶことはあまり考えられていないように見えます。
安全にエフェクターケース内に入れる収納性や、そもそもケースのことはまったく考えていない実例も散見します。
コスト面から考えても、ボードは簡単に作れたけど、それを入れるケースが高く付き、結局は既製品を買うより高くついてしまうなんてことも、あるあるです。
そのバランスを考えながら、自分なりに楽しんでいただければと思います。
▽ギターもDIYしてみました
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