ワーケーションをバンライフで実現!車中泊&移動オフィスに使えるキャンパー・カスタム計画

車中泊・バンライフ

 

アフターコロナの働き方として、ワーケーションという言葉が注目を浴びるようになってきました。

例えば、私のようにフリーランスを生業としていると、テレワークはそもそもやっていたわけですが、そっか、移動も加えてしまうことも可能なのかとうれしくなります。
少しでも市民権を得たなら、うれしい限り。

 

ワーケーションに最適なキャンパーを考えます

ワーケーション的な働き方には興味はある、けれども、宿泊費にそれほどお金をかけられないなぁとひるんでいた時に、そうだ、車中泊がある!と思った方も多いと思います。

例えば、テレワーク勤務になったのはいいものの、自宅に十分なワークスペースを取りにくい方も多いと聞きます。

そういった需要は高まっているようで、2020年秋のキャンピングカー関連の注目のキーワードは「普段使い」だというニュースも流れていました。

 

コロナ時代、普段使いにも使えて、簡易オフィスにもなり、車中泊もできるマルチユースカーとしてキャンパーが注目されているのは確かだと思います。

そういった場合、どんな車を選んでいけばいいのか?を、自分のためにも考えてみたいと思います。

 

 

まずは使い方をイメージします

ものを選び、使っていくときには、2つの方法があると思います。

まずは、こういう機能の車があるから、こういう使い方をするという進め方。

そして、こういう使い方をしたいから、こういう機能の車が必要という逆のフローです。

ざっくり言えば、車中泊のバリエーションで、宿泊できる移動オフィスが欲しいということなのですが、もう少し具体的な使い方をイメージしていくと、より絞り込んでいけると思います。

懐に余裕があるのだったら、昨今のキャンプブームにけん引され、本格的なキャンピングカーだけではなく、バンや軽バンをカスタムされたキャンパーも多く発売されていますが、結構いい値段がします。

お手頃の中古の箱バンを使ってDIYカスタムする方法もおすすめ。

自作カスタムでどこまでできるのかを含めて、当ページでは、自分がやりたいことを考えていきたいと思います。

個人的には、太陽光発電で走るEV(ソーラーカー)で旅に出るというのが究極の目標ではあるんですが。

 

旅の目的:何のために車中泊をして旅をするか

軽キャンパーでワーケーションということは、つまり仕事をしながら、移動するという前提です。

言い換えれば、車中泊仕様のバリエーションで、移動オフィスにもなる車ということです。

じゃあ、どこに行くか?

仕事を軸として考えると、(ネットさえ繋がれば)どこにいてもいいという方と、とはいえ、ある程度行く場所に目的がある場合の2つに分けられるでしょう。

私の場合、当サイトをはじめ運営しているwebメディアの記事充実、新たなプロダクトやアイデアの発掘などを仕事に含めるのならば、後者にあたります。

テーマとなるのは、以下の3つ。

  1. 食文化
  2. 美術館・建築物巡り
  3. トレッキング

はい、普通の観光と一緒じゃん?と言われそうですが、まあ、否定はしません。

これらに加えて、車中泊をしていると、結果として、温泉・銭湯、道の家、キャンプ場には詳しくなりそうな気がしています。

 

必要な設備

では、ワーケーションを車でやるのに、必要なのはどのような設備やスペックでしょうか?

最低限必要なのは、下記の4つくらいでしょうか。

  1. フラットなベッド
  2. PC作業ができるデスク&チェアー
  3. 収納
  4. 電源

当然っていえば当然なのですが、2.3~2.7平米でミニマルな部屋を作るのと一緒ですね。

1.と2.が選ぶ車種にダイレクトに関わってきます。

フラットなベッドは、市販されているSUVやミニワゴンのカスタムパーツを入手すれば、確保できるのですが、座っての作業をするなら、120cmくらいは車内の高さがないとダメなので、ほぼ商用の箱バンに限られてきます

3.と4.は、もしかしたらカスタムが必要か、DIYが必要かということに繋がってくるでしょう。

 

最後の山が「普段使い」、対応人数と旅の頻度に注意

以上のようなところまでは、比較的、自分の条件、好みで決まっていくと思うのですが、普段使いと併用しようとするときに、さらに楽しい悩みが増していきます。

また、

1人であれば、軽バンでもモデルによっては、オフィス兼キャンパーは比較的容易にできます。

ただ、2人で車内に泊まるケースを考慮に入れると、オフィス機能との兼ね合いが難しくなってきます。

さらに3人以上だ、現実的には

単なる車中泊目的ではないので、2人だと、軽バンでは無理。

最低でも、トヨタの「タウンエース」や日産の「NV-200」など、3ナンバーの普通車バン以上のサイズが欲しくなります。

 

 

 

候補モデル:正規カスタムのキャンパー

メーカーのディーラーカスタムで出ている2車を紹介します。

 

トヨタ「アルトピアーノ」

トヨタカローラ横浜が企画・販売している「キャンパーアルトピアーノ」。

ベースはタウンエースです。

 

シートアレンジとして、こんなダイニング仕様になります。

1人でPC作業するには、じゅうぶんです。

 

トヨタ「アルトピアーノ」

「タウンエース」は、サイズ感はばっちりなのですが、あまりに商用車的なイメージに抵抗がある方は少なくないでしょう。

この「アルトピアーノ」のカラーリングは、ライトグリーン/ホワイトとベージュ/ホワイトの2トーンが2タイプあります。

オプションですが、「アクセサリーコンセント」のような蓄電システムが用意されていることです。

ガソリン車では、走行中のタイヤの回転により発電している電気は、エンジン始動用などで使われる通常のバッテリーに蓄電しているのですが、この電気をサブバッテリーに蓄電し、停車中でも電気製品が使えるようになります。

車輪が回ることで生まれる電気なので、電気代はタダです。

かつオフグリッドです。

ただ、基本の電源ユニットで150,000円(税抜)、正弦波1,500Wも付けると計380,000円と高いんですよね。

今同じくらいのスペックのポータブルバッテリーが100,000円以下で入手できるようになってきていることを考えると、電気代と相殺することを考えても、コスパとしては難しいところです。

 

日産「NV-200」

トヨタの「タウンエース」と同等クラスの商用モデルもあるバン。

同じ型で5人乗りのワゴンも出していることから、2人乗りの商用バンでも、カラーバリエーションが充実しているのが、メリットでしょう。

こちらは、「NV-200 マルチベッドワゴン」が出ています。

 

カラーは、「アルトピアーノ」を意識したのか、2トーンカラーのモデルも2タイプ出ています。

テーブルは、まあまあ。

縦分割のメリットとしては、1人でベッドを使用する前提なら、バイクなどが積めます。

 

ネックは価格

グレードによって価格差はありますが、「タウンエース」も「NV-200」も新車価格はだいたい200万。

キャンパー仕様になると100万プラスなんです。

軽バンでもカスタム車の場合、100万プラスが相場で、軽キャンパーは200~250万くらいが多いことを考えると、300万で「タウンエース」や「NV-200」ベースの車中泊仕様が入手できるなら、妥当なのかもしれませんが。

純正扱いで希少性は高いので、もし手放す場合は、一般的な車より中古の価格は落ちないかもしれませんが。

率直な感想では、やっぱり高いなぁと思ってしまいます。

デフォルトの「タウンエース」や「NV-200」の中古なら、それなりに状態が悪くない車体で、100万程度見ておけば入手できるでしょうし、その他、車中泊&移動オフィスに必要な設備も、20~30万くらいの予算でできそうな気がします。

バッファを見て、150万でもできるかと思うと、DIYカスタムのほうに気持ちが移ってきています。

それは、さておき、軽バンのほうもリサーチしてみましょう。

 

候補モデル:軽バン・ベース

キャンパー仕様としては、取り回しの良さ、燃費の良さを含めたコスパの良さから、1~2名の車中泊対応としては、人気の軽バン。

商用の箱バンが手ごろです。

まず120cm程度の室内の高さがとれることは最低条件として、軽バンの場合、サイズに関してチェックしておくべきは、2パターンあります。

それは、身体を伸ばして寝ることができる180cmの平面をどうやってつくるかということなのですが、

  • パターン①:荷室長だけで180cm以上ある
  • パターン②:助手席を倒すことによって180cm以上になる

ということです。

パターン①の場合は、荷室のスペースをどう使うかを考えておけばいいだけですが、パターン②の場合は、写真のように取り回しをどうするかを考えておかないと、思わぬ落とし穴に陥る可能性がないわけではありません。

ですので、ワークスペース兼寝床として考えるなら、どちらでも対応可。

2名使用の場合は、パターン①なら、アイデア(とちょっとの我慢)でできないことはないでしょう。

パターン②は、2名で寝るのも、かなりの工夫がいるので、かなりの難易度だと思います。

 

軽キャンパーのカスタムカーは、ワーケーションには不向き

 

この後、紹介するモデルは、車中泊には一般的なので、カスタム車やカスタムキットも出ていますが、いかに2名で快適に寝られるかという方向性に絞られる傾向にあります。

ですので、デスクワークを車内でやるのは、少し難しいのが現状。

DIYでは、やりようがあるので、需要が出てきたら、サードパーティーのワーケーションキットなども今後出てくるのかもしれません。

 

パターン①のおすすめ:スズキ「エブリイ」

軽バンの定番中の定番。

街中でも配送車としてよく使われていますし、車中泊カスタムのベースとしても、もっとも使われているはずです。

 

あまりに一般的なモデルだけに、とくに白とシルバーは商用車のイメージが強いので、遊び心が・・とも思ったのですが、意外やカラーバリエーションは豊富。

ただ、中古車の場合、白やシルバーと比べると、タマは少なめなので、うまく見つけてください。

荷室長191cmで、幅も138.5cm、比較的フラットな長方形なので、いろいろと使いまわしの良さが魅力です。

 

パターン①のおすすめ:ダイハツ「ハイゼット」

こちらも軽バンの定番。

 

 

ダイハツ「ハイゼット」

 

カラーバリエーションは豊富で、一般色以外は中古でタマが少なめという傾向は、スズキ「エブリィ」と共通しています。

 

サイズは、エブリーと比べて長さで5㎝、幅で1cm、高さで0.5cm足りないというレベル。

顔の可愛さ(軽らしい普段使いカーっぽさ)では、一番でしょう。

 

パターン①のおすすめ:三菱「ミニキャブ」

 

三菱「ミニキャブ」

実は、軽キャブバンの荷室の大きさで、スペック上では、スズキ「エブリィ」と全く同じサイズ。

三菱「ミニキャブ」

ですが、あくまで商用車で、カラーバリエーションも、白・シルバーがメインで、グレードによってブラックがあるくらい。

そのルックスであまりそそられないのが正直なところです。

 

パターン②のおすすめ:HONDA「N-VAN」

いまや、軽ワゴン/軽バンのもっとも売れているモデルがホンダの「N」シリーズ。

バンタイプの「N-VAN」も、アウトドア愛好家に人気。

ルックスにもこだわりたいキャンパーなどから、絶大な支持を集めています。

商用バンベースだと、見た目の部分を我慢していた方が多かったはずですので、納得です。

サイズ感としては、荷室長は158.5cm(C)なので、身体を伸ばして寝ようと思ったら、助手席を畳む必要が出てきます。

収納した助手席が完全にフラットになる設計なので、260cmのフルフラットなスペースが確保できます。

その分、助手席の座り心地は、まったく期待できないところが考えよう。

車中泊1人用+近場のお買い物(1~2名)の使い方しかしないのだったら、迷わずこれですね。

 

DIYカスタムなら、予算的にはかなりお得

普通車バンのところでも書きましたが、カスタムキャンパーは値段がネックだと思います。

軽バンをベースにしたモデルでも、新車のデフォルト価格+100万円くらいが相場だと考えています。

けれども、難しく考えず、寝る&デスクワークだけなら、アウトドア用のコットと折り畳みデスク&チェアを入れてしまえば目的がかないます。

これだと、2万円くらいからの出費で済みます。

さらに快適さを求めるのなら、ニトリやEC通販などで、ベッド兼ベンチとPCデスクなどをこれも2~3万くらいから見つかるでしょう。

 

DIYで作ってしまうなら、材料費は5,000円くらいで抑えることも可能。

時間と手間、ある程度の技術は必要ですが、自分仕様にカスタムできますし、DIY好きな人にとって、作る楽しみは何物にも代えがたいものです。

 

塗装DIYを考慮に入れれば、幅が広まります

カラーバリエーションがあることから、スズキ「エブリィ」とダイハツ「ハイゼット」を紹介しましたが、白・シルバー以外は、中古でそれほどタマ数が多いわけでもありません。

しかも、あるカラバリが、自分の好きな色かどうかも限りませんし。

だったら、塗っちまえ!というのが、DIYの楽しさです。

セルフ塗装でかわいくなったYOUTUBEのコンテンツを一つ。

軽の箱バンをベースとするなら、車のかたちはさほど変わらないのですが、色が変わると個性は出るという好例だと思います。

ただし、中古で売ろうとするなら、その塗装の精度によって査定がかなり変わってくることだけは注意が必要です。

格安で入手できて、あとは廃車にしてもいいか?くらいなものだと思いきれます。

だとしたら、元となる車は、どのモデルでも、白でもシルバーでも何でもいけます。

電源確保がコスパの鍵

あとは電源をどうするかがポイント。

ノートPCやスマホなど充電したものだけで用が足せるのであれば問題ありませんが、それが難しいなら、最初の選択肢は、ポータブル電源を入手することだと思います。

これが意外とやっかい、というか、要は結構値が張るんです。

 

 

車中泊キャンパーに信頼されている「BLUETTI」というブランドで、この1000Wh仕様だと、12万円前後。

1,500Whだと15万円前後といった感じです。

 

 

Jackeryというブランドだと、700Whで8万円くらい。

 

DIY好きの方が電源回りで行う定番は、ソーラーパネルと走行充電池の設置でしょう。

システムを組んでしまえば、勝手に充電できるので、非常に便利なのですが、ほかの部分のDIYと比べると格段に費用対効果が上がるわけではないです。

 

 

EVという選択肢

電源のことを考えていて、思い出したのが、電気自動車(EV)なら、わざわざポータブル電源などを追加しなくても、オフィス化できないか?ということです。

箱バンで出ているEVは現状で1タイプ。

軽バンクラスの三菱の「ミニキャブミーブ」です。

あれ?っと思った方は、EV通かもしれません。

そう、普通車クラスで日産の「e-NV200」があったのですが、先ごろディスコンになりました。

 

電気自動車の箱バンのメリットとしては、走行用のバッテリーから電源が取れることです。

「e-NV200」には車内に100vコンセントがついていますし、「ミニキャブミーブ」はディーラーオプションの「MiEV power BOX」が別途入手すれば走行用のバッテリーから給電可能です。

ブログやYOUTUBEなどを見ると、最も消費するのは夏場のエアコンで、もちろんバッテリーさえあれば、停車中でも使えます。

 

デメリットは、やはり充電の不便さですね。

移動が多い場合は、どれだけ走れるかを気にしながら、使わないといけませんから。

一軒家にしろマンションにしろ、自宅で充電できるなら、もう一つの部屋としては、これ以上ない選択肢になるのかもしれません。

 

 

 

森 薫

雑誌編集者、webコンテンツディレクターを経て独立。コロナ禍を機に半農半X生活へ移行、「X」は表向きライター業、実際は単なる車中泊トラベラー?!

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