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エレキギターにピエゾピックアップを搭載してハイブリット化。
アコギ+エレキのサウンド・バリエーションを獲得するには、どうやったらカスタムできるのでしょうか?
取付方法・接続方法をまとめました。
エレキにピエゾを追加してアコギっぽいをサウンドを獲得
ジャンクで眠っていた「YAMAHA SG-RR Custom」を再生した際、デフォルトで付いていたピエゾピックアップが生きていたので、ステレオアウトで通常のマグネチックピックアップとピエゾPUの両方が出せる仕様にカスタムしてみました。
ピエゾのサウンドが加わったことにより、アクセントとしては抜群で、我ながらご満悦。
そもそもはこのギター、フロントのハム中心の甘めの音を狙って組み直したのですが、隠し味としてピエゾのシャリーンという音を加えるとなんとも言えない深みが出ます。
砂糖の甘さを引き立てるには、少し塩を加えたほうがいいということに似ていると言えばいいでしょうか。
とはいえ、ソリッドギターでのピエゾのサウンドを本物のアコギのサウンドではないという方もいますが、それは当然。
むしろ、これはこれと割り切って、音質のバリエーションが増えたと思えば、求める音楽性によっては、非常に楽しいギターになると捉えています。
その初代改造機に味を占めて、ほかのエレキギターにも導入できるか?と、ピエゾPU追加の方法をまとめてみました。
ピエゾピックアップ付きブリッジ/サドルを導入
最初に考えなければならないのは、ピエゾ・ピックアップをどう設置するか、です。
一般的なエレキギターでは、ほぼ一択で、ピエゾ付きのブリッジ、あるいはサドルを入手すること。
アコギやフルアコのように、1~6弦に連なったサドルであれば、ピックアップのみの手ごろなアイテムもありますが、弦毎にセパレートされたエレキだと、サドルと一体になったアイテムしかありません。
そこで、ブリッジの形状に合わせ、ソリッドギターに使えるピエゾをピックアップしてみました。
この分野の2大メーカーとしては、「FISHMAN」と「L.R.BAGGS」です。
アコースティック楽器のピックアップやプリアンプなどでも知られる有名ブランドですね。
サウンドに関しては、甲乙つけがたいのですが、ナチュラルさという視点から見れば、FISHMANのほうが多少優位かなと捉えています。
ストラトキャスター・ブリッジType
ストラトのアーム付きのブリッジと交換できるパーツです。
FISHMAN「Powerbridge(パワーブリッジ)VS-50」
実勢価格:40,000円~
LR Baggs「X-Bridge スタンダード ストラト」
実勢価格:30,000円~
テレキャスター・ブリッジType
スタンダードなテレキャスター用のピエゾ・ピックアップ付きのブリッジです。
FISHMAN「Powerbridge(パワーブリッジ)TEL101」
実勢価格:36,000円前後~
テレキャスター用に関しては、「L.R.BAGGS」からは出ていないようです。
サドルのみ
フェンダー系のストラト、テレキャスに関してはブリッジごと交換して、配線すればいいのですが、それ以外のモデルの場合、
私自身も以前、シンライン72年モデルにFISHMANSのPowerBridgeを付けたことがあったのですが、テレキャスモデルを切断するしかありませんでした。
ああ、その時に、これがあったらなぁと、見つけたのが、ピエゾ付きサドルです。
GRAPHTECH「PN-8000-00」
実勢価格:16,000円前後~
これであれば、ストラトにもテレキャスにも、シンラインにも対応できます。
ジャズマスターなどの場合は、レスポールなどのTune-O-Maticタイプのブリッジに交換するしかないでしょう。
レスポールなどTune-O-Maticタイプ
レスポールなどのギブソン系ギターはこちらで。
弦落ちしやすいジャスマスターやジャガーのデフォルトのブリッジをTune-O-Maticに改造するプレイヤーもいますので、その機会にピエゾ付きにしてしまうのもアリかもしれません。
FISHMAN「Tune-O-Matic Powerbridge」
実勢価格:36,000円~
LR Baggs「T-Bridge Tune-O-Matic」
実勢価格:36,000円~
Graph Tech「Ghost ResoMax PN-8863-N0」
実勢価格:25,000円~
内部回路をどうするか
ピエゾ・ピックアップの準備ができたら、入力と出力の方法を考えていきます。
選択すべき課題は2つ。
A:出力をパラレルにしてステレオアウトにするか、(ミックスして)モノラルアウトにするか
B:プリアンプを、ギター内部に設置するか、ギター外部に設置する
このA-Bをどう組み合わせるかによって、必要なパーツが変わってきます。
ステレオアウトで、プリアンプ内蔵なしがオススメ
好みやほかの機材との相性もありますが、私の場合は、ステレオアウトで、プリアンプは内蔵にせずペダルで、というのが結論です。
・ピエゾPU⇒ギターアンプのサウンドが好きではない
⇒この組み合わせだったら、ピエゾは使いません。なので、モノラルアウトでピエゾ用にペダルやアンプが使えないのは不都合。
・どうせアコースティック用のペダルのプリアンプやマルチエフェクターは導入する
⇒だったら、ダブルでプリアンプを使う必要はないので、内蔵する手間を省けるし、ボディを削ったりしなくて済む。
⇒また、ライブなどでDIやミキサーに繋ぐ場合、XRL出力があるペダルプリアンプを使えば楽。
・コスト的に多少は安くつく
・ステレオアウト用のYケーブルなどは作成経験あり
あくまで、これは個人的な考えなので、ほかの選択肢もありでしょう。
その他のやり方を含めメリ・デメを合わせて紹介していきます。
A-1:出力をパラレルにしてステレオアウトにする
原理としては、簡単です。
マグネチックPUアップからの出力と、ピエゾPUから出力を別にするだけのことです。
ジャックを2つ設置することも考えられますが、新たにザグリを追加しなくてはならないので、ステレオジャックを付けるのが一般的だと思います。
だだし、デメリットとしては、ギターからの出力した後が少し面倒なことでしょう。
2系統の信号を、並列でアンプまで伝えなくてはならないので、シールドにはYケーブル、2ch入力のあるアンプか、アンプが2個必要になります。
プリアンプは、別途ペダルタイプのものなどで対応します。
また、2分岐するためのYケーブルは販売されているものもありますが、高いので、プラグと切り売りのケーブルを購入し、自作したほうがいいでしょう。
A-2:出力を(ミックスして)モノラルアウトにする
モノラルアウトにするには、ギター内部で、マグネチックPUとピエゾPUの出力を切り替えるか、ミックスする機能が必要です。
つまり、セレクターの回路数を増やすか、ミキサーを設置する方法で対応できます。
セレクターの回路を増やす
テレキャスやレスポールなら2PUのギターならば、通常は2接点3wayのPUセレクターが付いていると思いますが、3接点以上のセレクターに繋ぎ、1回路をピエゾにすればいいわけです。
ストラトなどの3PUのギターなら、通常なら3接点5wayのPUセレクターが付いているはずですが、それを4接点以上のものにします。
と、書くのは簡単ですが、「あれ、ストラトタイプのセレクターに4接点以上なんてあったっけ?」とか「レスポールタイプのトグルスイッチって、普通2接点3wayじゃなかったっけ?」と思う方も多いと思います。
そんなときは、Free-Way switchの登場です。
トグル用の取付穴だったら、6ポジション使用可能な「Toggle Switch 3X3-03」で対応できます。
実勢価格:7,000円~
ストラトなど、線上の取付穴なら、10ポジション使える「Blade Switch 5B5-01」で対応できます。
実勢価格:8,000円~
一般的なセレクトスイッチに比べれば、値は張りますね。
それを考えると、もともと3wayのセレクターであるテレキャスに、ストラト用の5wayのセレクターを付けるのが一番楽かもしれません。
ギター内部にミキサーを組み込む
2回路の出力をミックスするとなると、回路の難易度はグンと上がります。
配線やポッドの種類などでいろいろやりようはありますが、手軽なのは、取り付ければいいだけのミニ・ミキサーの導入でしょう。
FISHMAN ( フィッシュマン )「Powerchip」が、後述するプリアンプ機能も付いています。
実勢価格:20,000円~
B-1:プリアンプを、ギター内部に設置する
現在販売されているエレアコには、たいていプリアンプが付いています。
これは出力の弱いピエゾPUの電気信号を安定して出力するためで、アクティブと表現されることが多いです。
同じように、ピエゾPUを後付けする場合でも、プリアンプは必須だと考えておいた方がいいでしょう。
ただし、一番の問題は、どこに取り付けるかです。
プリアンプと9Vバッテリーを収納するスペースが確保できるかをクリアしなくてはなりません。
エレアコ用のモデルは、ボディの空洞のスペースが使えるので、サイズが大きく、エレキギターに取り付けるのは無理でしょう。
例えば、2Vol-2Toneのレスポールであれば、1Vol-1Toneにまとめて、撤去したスペースに入れるなど、少し工夫する必要が出てきます。
その意味では、先ほども紹介したFISHMANの「Powerchip」は、少し大き目なポッドというサイズですので手軽です。
実勢価格:20,000円~
小型サイズであれば、BARTOLINI(バルトリーニ)の「プリアンプ」という手もあります。
実勢価格:10,000円~
こういったギターに内蔵できる小型サイズのモデルをヤフオクなどに出している方もいますので、質はわかりませんが、使ってみる手もあるかもしれません。
「ピエゾピックアップ用 小型プリアンプ」で検索してみてください。
B-2:プリアンプやミキサーを、ギター外部に設置する
上述しましたが、エレアコなど、プリアンプが内蔵されているのに、個人的にはさらにペダルタイプのプリアンプを二重に通す効果を感じていないので、外部のプリアンプ一個通せばいいかな?と考えています。
例えば、Zoomの「AC-2」だとか、FISHMANの「アウラ・スペクトラムDI」 だとか、アコギ用のマルチエフェクターにもプリアンプの機能は付いています。
このやり方を採用するなら、多くの場合は、パラレルでアンプまで接続することになると思いますが、外部のミキサーで1つの信号にまとめてしまうこともできます。
足元での操作はしづらくなりますが、コンパクトミキサーを使うなら、BEHRINGERに「MICROMIX MX400」という4chミキサーがあります。
また、アコギを中心にデュアルピックアップのレベルを調整することに特化したBirdland「Acoustic Mixer R2」もおすすめです。
結論
ここまで書いておきながら、結論としては、手持ちのギターのピエゾ化は断念しました。
コスパが悪すぎます。
この価格なら、多少サウンドの再現度は落ちても、Mooerの「Tone Capture GTR」でエレアコの音を取り込んでしまった方が、安上がりです。
実勢価格:9,500円~
デフォルトでピエゾPU付きのエレキを探す
結局は、新品あるいは中古で、デフォルトでピエゾPUが付いているモデルを探したほうが近道だと思います。
それは、次の記事(↓)で。
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