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ピエゾ/マグネチックPUのハイブリッドにし、パラレルでステレオ出力した場合、どんなアンプへの接続がベストでしょうか?
このページでは、自宅練習用や自前のアンプを使うちょっとしたミニライブなどに使えるアンプをセレクトしました。
エレキにピエゾを追加してアコギっぽいをサウンドを獲得
ジャンクで眠っていた「YAMAHA SG-RR Custom」をカスタムする際に、デフォルトで付いていたピエゾピックアップが生きていたので、ステレオアウトで出力できるように配線しました。
ピエゾとマグネチックのハイブリッド・システムの場合、音を出すには——
- ギター内部でマグネチックとミックスし、モノラルアウトに
- マグネチックとはパラレルで、ステレオアウトに
という選択肢があるのですが、後者のパラレル接続を選択。
できれば別アンプ、最低別チャンネルからアンプなどに入力したほうが、それぞれの音の分離が良くなるのは確かです。
ピエゾ&マグネチック搭載のギターのハイスペックなモデルは、2つのアウトプットジャックを持ち、モノラルはミックス、両方接続するとパラレルで出力されるのが一般的です。
ディスコンになってしまいましたが、ピエゾピックアップ搭載のGODIN「Montreal」にせよ、現行で販売されているPRSの「SE HOLLOWBODY II PIEZO」もそういった仕様です。
ミックス&パラレルの併用は、内部のシステムが複雑なので、今回はパスして、パラレルのほうをやってみようと。
そこまで決まったら、最後は音を出すアンプをセレクトしていきます。
このページでは、自宅練習用や自前のアンプを使うちょっとしたミニライブなどに使えるレベルのアンプを中心にセレクトしてみました。
オススメ:マイク入力があるアコースティックギターアンプを使う
ジャズ志向の方なら、フルアコなどをアコースティックアンプに繋ぐことにまったく違和感はないと思います。
そして、アコースティックギターアンプのメインターゲットは、弾き語りのプレイヤーが多いことから、マイクと楽器の 2系統の入力ができるモデルが最近の主流です。
そのようなモデルであれば、ピエゾ/マグネチック併用でも、次のような接続が可能になります。
- ピエゾPU⇒プリアンプ/エフェクター⇒アコースティックアンプ(マイクINPUT)
- マグネチックPU⇒エフェクター⇒アコースティックアンプ(楽器INPUT)
プリアンプで音を作って、マイク入力chはパワーアンプ的に使う方法です。
下記に紹介するアンプなら、この接続ができます。
ROLAND (ローランド)「MOBILE CUBE」
実勢価格:18,000円~
小さいながらクリアなサウンドが得られる多用途モバイル・アンプです。
モニターアンプに近い設計ですが、ピークの出方などは、楽器用にアンプだと頷けます。
ステレオ入出力に対応。
ギターやアコギ、ボーカル、キーボードやレコーダーのモニター、デジタル・オーディオ・プレーヤーやパソコン、エレクトリック・など、様々な入力ソースに対応できます。
ライブ時のモニターなどにも使えるので、持っていて損はない汎用アンプです。
VOX ( ヴォックス )「VX50-AG」
実勢価格:26,000円~
小型真空管「Nutube」が搭載されたアコギアンプ。
真空管らしい暖かみのあるサウンドが、アコギアンプの中では独特です。
INSTRUMENT、MICの2チャンネル仕様で、独立ボリュームを装備。
エフェクターやイコライザーもそれぞれのチャンネルに装備され、INSTRUMENTにはコーラス/リバーブ/コーラス+リバーブ、MICにはリバーブが使えます。
また、AUX INもありますので、実質3chの入力が可能です。
難点は、MICチャンネルの入力がXRL端子のみであることでしょうか。
プリアンプを使ってXRLケーブルでつなげればベストですが、なければ変換アダプターなどを使う必要があります。
FISHMAN(フィッシュマン)「Loudbox Mini Bluetooth」
実勢価格:40,000円~
エレアコ、フルアコでは定番中の定番と言えるアンプかもしれません。
さすが、アコースティックを追求し続けてきたFISHMANと言うべきか。
アコースティック系のライブなどでは、多くのギタリストがこれを持っているなんてこともザラ。
スピーカーアウトもできるので、お互いに貸しあって、出力を倍にできたりすることもあります。
FISHMAN ( フィッシュマン )「Loudbox Mini Bluetooth」
実勢価格:47,000円~
バリエーションで、Bluethoth搭載モデルも。
この機能が追加されたからというより、製造年が新しいからという理由だと思いますが、デフォルトのモデルより、少しお高め。
ORANGE(オレンジ)「Crush Acoustic 30」
実勢価格:44,000円前後~
特にオルタナティブロック系に信奉者の多いイギリスのアンプブランド「オレンジ」。
FEBDERともVOXともニュアンスが違う、ハリとコシのある抜けの良いサウンドが独特なのですが、その特徴はアコースティックアンプにも継承されているようです。
このアンプの機能としてのメリットは、
- 2チャンネル仕様で、チャンネル2はマイク用にも楽器用にも使用可能
- リバーブとコーラスは、両チャンネルに適用可能
- デジタルオーディオプレイヤー等を接続可能な3.5mm Aux-In端子を装備
- 電池駆動可なので、どこでも使える
- 特徴的なデザイン。路上ライブにも使いやすい斜めにアングルのついたアンプの中では高音質
というように、実践に即した使える機能が魅力です
個人的には、今一番欲しいアンプの一つです。
エーイーアール ) 「Compact60/4」
実勢価格:148,000円~
エレアコ、ジャズギターの定番中の定番Compact60の最新モデル。
芯の太さとクリアさを共存させたサウンドのクオリティは、完全プロ仕様ですね。
INSTRUMENT、MICの2チャンネル仕様で、独立ボリューム&イコライザーを装備。
MICチャンネルの入力がXRL端子と一般的な6.3mmプラグがどちらも使えるタイプなので、楽器入力用にも使いやすい仕様です。
AUX INもありますが、ボリューム無しです。
エフェクトは、Reverb、Reverb with longer predelay、Delay(320ms)、Chorusの4種が使用可。
参考:AUX INも駆使し3ch入力に
ここまでの応用だとも言えますが、私自身は自宅練習では、FENDERの製造終了になったモデル「Passport Mini」という汎用アンプでAUX入力も含めて、3系統出力できるようにしています。
整理すると——
- ピエゾPU⇒プリアンプ⇒アンプ(楽器INPUT)
- マグネチックPU⇒エフェクター⇒アンプ(マイクINPUT)
- マグネチックPU⇒エフェクター(リズムマシーン)⇒アンプ(AUX INPUT)
マイク入力と楽器入力が逆なのですが、これはエフェクター群の使い方によります。
オルガンやシンセなどのエミュレーター、トーンキャプチャーやキャビネット・シミュレーターなど多用していますので、アンプ側はフラットな音のほうが適しています。
DTMの発想に近いですね。
エレキらしい歪んだサウンドに関しても、RAT系のペダルを入れていて、これがプリアンプ的な役割も果たしているのか、それっぽい音は出ます。
さらにエレキらしくしたいなら、キャビネットシミュレーターを導入すれば、DTMなどにも使えます。
一方で、ピエゾPUの系統にはレベルのみ調整できるプリアンプしか繋いでいないので、楽器用の入力チャンネルで、多少エフェクトをかけられると味が出ます。
誰にでもおすすめできる方法ではありませんが、興味があったら、試してみてください。
基本:ギターアンプとアコースティックギターアンプを併用
もっともシンプルな設定を考えれば、ベーシックなアンプ構成は、こんな感じになると思います。
- ピエゾPU⇒(プリアンプ)⇒アコースティックギターアンプ
- マグネチックPU⇒エフェクター⇒ギターアンプ
ギターアンプは、星の数ほどあって、好みも人それぞれでしょうから、好きなアンプを使えばいいと思います。
セットで組むなら、あるいはアコギ用のアンプを別途用意したほうが、広がりのある音が得られます。
BLACKSTAR「FLY3」+「Fly3 Acoustic」
実勢価格:2つで約15,000円~
ミニアンプとして、抜群のサウンドクオリティを誇るのが、BLACKSTARの「FLY3」シリーズ。
3Wの出力ですが、10~20人くらいのスペースであれば、ドラムレスであれば、簡単なライブにも対応できると思います。
パワーアップするなら、どちらもSTREO PACKにすれば、計12Wの出力になります。
実勢価格:10,000円~。
実勢価格:11,000円~。
裏技:ギターアンプのAUXを使う
- ピエゾPU⇒プリアンプ⇒ギターアンプのAUX入力
- マグネチックPU⇒エフェクター⇒ギターアンプ
最近のギターアンプには、オーディオ再生ができるように、AUX入力(外部入力)端子が付いているモデルが多いと思います。
ボリュームを調整するために、最低限ピエゾからプリアンプを通すのは必須ですが、このAUX入力にピエゾからの出力を繋いでしまう手もなくはありません。
例えば、ROLANDの「JC40」だと、AUX入力端子はありません。
ギター入力は2chありますので、マグネチックとピエゾを同時に鳴らすことはできます。
ただ、あくまで個人的な好みですが、ピエゾをギターアンプに繋いだ音は、キンキンしがちで、音作りが難しいので、避けた方が無難だと思います。
言わずもがなかもしれませんが、ギターアンプは中音域を極端に持ち上げたクセのある周波数特性を持っています。
それがエレキギターらしい音という個性になっているのですが、エレアコ用のアンプは、比較的全音域をフラットに出すオーディオ的な特性を持っています。
AUX入力は、オーディオなどを再生することを目的に付属されているので、スピーカーコーンや回路などに限度はありますが、全音域をできる限りフラットに出すように設定されているモデルがほとんです。
だとしたら、ピエゾとの相性は、こちらの方が良いはずです。
参考:アコースティック用のプリアンプ
ちょっと裏技:ギターアンプとベースアンプを併用
ジャズで使うフルアコだったり、エレアコだったりでは、Phil Jones Bass (PJB)のベースアンプを愛用しているプレイヤーが結構います。
え、なぜベースアンプ?と思う方もいるかもしれませんが、これは先ほど説明したように、ベースアンプも全域をフラットに出す周波数特性があるわけです。
なので、ギターアンプよりは、アコースティックアンプに近く、エレアコやフルアコで、ふくよかなトーンが得られます。
というわけで、エレアコ用のアンプを購入するのは、汎用性としてちょっと気が弾けるというなら、ベースアンプで代用する手もあります。
作曲やDTM用にベースも弾く方なら、アンプも持っていてもいいのではないでしょうか。
BLACKSTAR「FLY3 BASS」
実勢価格:8,000円~
手ごろな値段とサイズなら、ベースアンプでもFly3はおすすめ。
内蔵エフェクターがコンプレッサーのみなので(ギター用はディレイ付)、ギターにはちょっと使いづらいところ以外は、いい音で楽しめます。
もう少し予算があったとしても、ほかのモデルよりはSTREOPACKにして出力を倍の6Wにするのがおすすめです。
実勢価格:11,000円~。
PJB(PHIL JONES BASS/フィルジョーンズベース )「NANOBASS X4C」
実勢価格:36,000円~
立ち上がりの良いスピード感のある低音が特徴な、超小型ベースアンプの決定版。
エレアコやフルアコ使用でも定評があります。
35Wの出力ですが、音圧はあるので、20~30人のライブであれば、十分使えます。
ロックの爆音ドラムと張り合うには少し足りませんが、ジャズドラムであれば、ボリュームも合わせられると思います。
入力は楽器用のINPUTとAUX INが各1ですが、AUXにもボリュームが付いていますので、2ch仕様として扱えます。
ストリートやカフェでのライブなど電源のないところで使うには、モバイルバッテリーからUSB給電ができる「NANOBASS X4C」もいいでしょう。
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