1眼→2眼カメラの次は、そう3眼! いや4眼?

カメラ

 

なんだか、アウトドア好きの皆様に役に立つログを、最近あげていませんね。
マニアックな趣味に走っていることは、自分でも重々承知しているんです。
でもまあ、夏休み気分ということで、人の役に立たない「自由研究」を続けさせていただこうか、と。
というわけで、今回も、ふつうの人にはまったく縁がなさそうな、趣味的なカメラ話で…。
山用のカメラに2眼レフ(ローライコードIV)を入手したばかりで、まだほとんど実戦投入もしていないのに、既に浮気心が出てしまった。
いや、1眼レフ(ハッセルブラッド)から2眼レフ(ローライコード)に変えたところで、ふと思い出してしまったのだ。
「そうだ、世の中には3眼カメラがある!」と。
1→2→3という単純な発想。
というか、ローライだとなんだか「マジメな写真」になっちゃいそうなので、3眼カメラくらいやっちゃった方が笑えるかな?と魔が差し始めてしまっている今日この頃なのです。
暑さのせいだろうか、3の倍数でバカになっていく(古いっすね)感じが妙に気持ち良いのです。

3眼のカメラとは、一般的にいうステレオカメラのこと。
構造的には2眼レフに似ていて、ファインダーを覗くためのレンズ(ビューレンズ)と実際に撮影するレンズ(テイクレンズ)が別々になっている。
ただ、ステレオなのでテイクレンズは2つ。
よって、都合3つのレンズが付くことになる。
ステレオ立体写真というと、赤と青のフィルムが付いた色眼鏡をかけて見るもの(専門的には「交差法」と言います)を想像する方も多いかもしれないけど、違う方法もある。
左右微妙にずらした位置から撮影した2枚の写真を、専用ビューアーなどで合成して立体の一枚として見るシステムと言えばいいのだろうか(こちらは「平行法」)。
後者の方が、アマチュアには、楽にステレオ写真が楽しめるだろう。
ステレオカメラは、基本的に35mmフィルムを使うリアリスト版と呼ばれるタイプが多いのだけど、ブローニー(中判)フィルムを使うモデルもある。
まずは件のローライも、2眼レフをリリースする前(戦前のこと?)に、3眼ステレオカメラを作っていたそうだ。
いまだに少しは残っているようだけど、超レアなので、入手は困難。
もう一つは、ロシアのメーカー(ロモもここかも)が出していた「スプートニク」。
そう、あのロケットにちなんで付けられたネーミング。
それだけでも、ソソる。
今でも、ぼちぼちヤフオクやebayに出ていて、そんなに高くない。
使い勝手は悪いようだけど、ハマッた時には、かなり良い描写をするという評判。
現実的には、こちらかな。
一応は山行用ということで、重さもチェックしておくと、本体は約800g。
中判カメラにしては十分軽い(その分、作りがヤワなのだろうけど)。
それに、ちゃんと使うには、三脚があったほうがいいだろうし。
さて、もし「スプートニク」を入手したとしても、問題は、このカメラだけを持って山に行く勇気が出るかどうか。
ローライと比べると写真そのものの描写は、かなり劣るだろうから、やはりちゃんとしたカメラを持って行った方がいいんじゃないか?という臆病風に吹かれそうだ。
もし、欲を出してローライコードと一緒に持って行くなら、2つ合わせて約1.7kg。
簡易三脚込みで、約2kg。
ハッセル1台より重くなるなぁ。
カメラ軽量化の目論見が水の泡……。
どうせ、三脚を持って行くなら、いっそのことローライコードをもう1台ゲットして、4眼でステレオ写真を撮ろうか。
20cmくらい離して2台のカメラを平行に置き、同時に写真を撮れば、それは立派なステレオ写真になる(はず)。
一番良いのは、誰か山友だちに同じシュナイダーのクセナーがレンズに付いたローライコードを入手してもらって、山頂で待ち合わせすることか。
ステレオ写真は、どうせ山頂付近でしか使わないだろうから、そのときだけ、2つ合わせてステレオにするとか。
世は3Dデジカムの時代に入っているけど、今さらこんなアナログな3Dを始めてみるの楽しいかな、と。
どうなんでしょう?

 

結局3つ眼のステレオカメラ「スプートニク」も入手

結局3つ眼のステレオカメラ「スプートニク」も入手

ソ連時代につくられていた「スプートニク」というステレオカメラが気になっていることは、上に書いた。
思い立ったが吉日、以前世話になったことのあるウクライナのカメラ屋のメルアドが残っていたので、問い合わせてみたら、「ある」という。
写真もメールで送ってきてくれて、悪くない状態。
値段的にも、日本の中古カメラ屋で購入するより、かなりお得。
というわけで、つい注文してしまった…。
それが、2週間前。
そして、昨日ようやく届いた。
これで、我が家には、中判6×6の1眼レフ(ハッセルブラッド500C/M)、2眼(ローライコードIV)、そして3眼(スプートニク)とスクエアのカメラが3台揃ったことになる。

それぞれは傑作だったり、そこまではいなくとも味のある良いカメラ機ではあるのだけど、まとめてみると、何となく間抜けなコレクション。
オーナーのセンスのバカさ加減がにじみ出てしまうのだろう。

調べてみると、作ったのは、ソ連時代のGOMZというメーカー。
ロシア製トイカメラのカテゴリーに入ることが多いけど、「ルビテル」という二眼レフカメラは、カメラマニアには結構知られた存在かもしれない。
それを作っていたのがGOMZで、後にLOMOになったようだ。
今回入手した「スプートニク」は、レンズなどの多くのパーツがルビテルから流用して作られたという。
レンズも、ルビテルと同じ「T-22」。
このレンズが、どうも曲者のようだ。
「ハマればすごいが、なかなかハマらない」という評価が目立つ。
そう言えば、「スプートニク」の描写に関しても、「ハマればすごいが、なかなかハマらない」と書いている人が多かった。
「スプートニク」も「ルビテル」をベースに作られているわけだから、基本的な描写に関しては、長所も短所も同じなのだろう。
要はピントの調整等が出来ていない個体が多いようだ。
あと、googleで検索したルビテルで撮影された画像をランダムに見ていくと、光線漏れや内面反射らしき影響が出ている写真が多かった。
植毛紙を内部に貼り付けておけば、内面反射はある程度押さえられるだろう。
と、まあ、コンスタントにヒットを打ってくれるものではなさそうだけど、ちゃんと調整すれば、たまにホームランとまではいかずとも2塁打3塁打くらいは狙えそう。
ただ、この夏は休みが取れず、なかなか持って出かける機会をつくれそうにないのが、残念なのだけど。

森 薫

雑誌編集者、webコンテンツディレクターを経て独立。コロナ禍を機に半農半X生活へ移行、「X」は表向きライター業、実際は単なる車中泊トラベラー?!

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