田舎移住後の目標をイメージする②:「半農半X」の生活の成立を目指す

田舎暮らし

 

移住後の生活において目標のフレームまでは書いたので、自分の場合は、具体的に何ができるかということをイメージしたいと思います。

 

私自身が、田舎移住に対して、いったんの目標に置いたのは、こんな感じです。

  • 目指すこと①:半農半Xの生活を成り立たせる
  • 目指すこと②:地域社会に貢献できるような活動、かつ誰かのヒントになるような生活を追求する
  • 目指すこと③:共感してくれる仲間ができたら、受け入れられる環境をつくる

 

本日は、「半農半X」について書いていきたいと思います。

 

「半農半X」とは?

聞きなれない言葉である人も多いとは思いますので、「半農半X」から説明します。

京都府綾部市在住の塩見直紀氏が1990年代半ば頃から提唱してきたライフスタイルで、自分や家族が食べる分の食料は小さな自給農でまかない、残りの時間は「X」、つまり自分のやりたいこと(ミッション)に費やすという生き方

幸せ経済社会研究所」webより

 

「X」の部分を「ミッション」とまで言うと大げさなので、普通に「仕事」にしてもいいと思います。

こういうライフスタイルを選ぶ方は、都市的・企業的な経済活動の逆側にいたいと考える方が多いので、あえて「仕事」とは言いたくないのでしょうが、私は、それほどこだわりはありません。

 

ある程度の収入はもちろん必要

むしろ、食料を限りなく自給に近づけ、生活費を押さえたととしても、多少の収入が必要になるのは、当然のことだという考え方です。

ここが成り立たないと、田舎暮らし移住が、しっかりと貯金とあるリタイアした方しかできないことになってしまいます。

そうではなくて、普通の生活の選択肢の一つとして成り立たせるということが、私自身は課題と捉えていますので、あまり理想論を掲げすぎて、長続きしないのは本末転倒。

なので、「X」の部分は素直に現金収入を稼げるものと捉えておきます。

 

完全な自給自足には高いスキルが必要

理想が高い方には、最初から自給自足を試みようとする方も多いのですが、これは相当な知識が必要だと考えています。

自然相手なので、不作の年にあたってしまったら、リスクヘッジができません。

また、冬に作物が採れない地域では、その時の保存食をどう自前で確保するかというスキルが必要になってきます。

 

最初の目標は、あくまで分散投資の考え方で

「半農半X」というと、2つのことをやるイメージに引っ張られそうになりますが、私の場合は、食糧調達や現金収入などを4~5つくらいに設定して、考えています。

3勝2敗でも、ペナントレースを制することができるように、5つのなかの2つダメでも、じゅうぶん幸せに暮らせるはずです。

そもそも、宅配業者を半日やって現金収入を稼いでもいいわけですし、別にきっちり半分に分けなくてもいいわけですし。

資金ゼロから成立させることも今回の移住のテーマなので、まずはこの収入面をどう確保するかから考えます。

 

「半X」の部分

私の場合は、ここは現金収入を得る「仕事」だと考えています。

上記の塩見直紀氏の著書『半農半Xという生き方』(ソニー・マガジンズ新書)では、「半農半NGO」や「半農半ライター」「半農半歌手」「半農半保育士」などが紹介されています。

細かな試算はあらためてやりたいと考えていますが、都市で生活していくために必要な最低限の収入をざっくりと月20万円だとすると、田舎暮らしをしたとしても、その半分の月10万円はキープしておきたいものです。

NGOやライター、保育士などは、都市の中で専業では食っていくことができなくはないけどキツい職種だとは思いますが、月10万でストレスなく生活ができるなら、現実味が帯びてくるかもしれません。

 

私の場合①:webサイト運営

プロフィールでも少し紹介しましたが、私の職業はメディア制作関連です。

これまでは企業のなかでやってきましたが、そのノウハウを応用して、自身で稼げるようにシフトしていくことを、このカテゴリーのメインに考えています。

個人事業主としてでもいいのですが、かたちとしては起業にしようかどうか検討中というのが実際のところです。

移住実行までに半年~1年の準備期間を設けていますので、その間にできる限りの準備をしておく計画です。

 

既存サイト

本業の片手間にやっていたものですが、平均月10万pvくらいのサイトを既に一つ持っています。

海外のアクティビティやレストランがメインのwebだったので、昨今の新型コロナショックでボロボロ。

旅行業や飲食業の方が「売り上げが半減して死活問題」というニュースをよく見かけますが、まったく同じ状況です。

ただ、この需要は、いつかは戻ってくるはずです。

戻ってくる期間が、半年になるか2年になるかという時期の問題だけです。

その間に、コツコツと内容を充実させて、マーケットが戻ったところで、一気に収益化しようと思っています。

 

新規サイト

webやblogを運営をした経験がある方なら、ご存じでしょうが、立ち上げてpvがついてかたちになるまでに、少なくとも半年~1年必要です。

そんなに大きな収益にはなりそうもないですが、首が座れば月5万くらいにはなって、地域貢献にもなるアイデアが1つあります。

単にスポット紹介的なものではなく、まったく誰も手を付けていないわけではないですが、切り口としてはまだあまり見かけないもの。

かつ大手企業がやるには小さすぎるマーケットのところです。

そのサイトを立ち上げ、育てておこうと考えています。

 

私の場合②:webサイト制作請負

準備期間に、プログラムを勉強

web制作に関して、記事をつくることはずっとやってきたので、難なくできます。

ただ、エンジニアではないので、裏側のスキルとしては、WordPressを少しカスタムできるくらい。

やっていくうちに、もう少し自前でやりたい部分がでてきたので、プログラムを勉強しようと思っています。

例えば、ご近所のレストランのHPをつくったりというのは、WordPressのカスタムでもできることも多いですが、もう少しプログラムができれば幅が広がります。

商売にするかどうかは別として、コミュニティのIT化に貢献できる引き出しは持っておきたいなと考えています。

 

農業の部分

「半農半X」のライフスタイルを既にやっている方はベジタリアンの方が多そうなので、農業とくくり方になっていますが、私の場合は大きな意味で第一次産業にあたる作業として捉えています。

私の場合①:農業はほったらかし農法でやれたらベスト

私の場合は、農業を生業にするつもりはありませんので、おそらく「ほったらかし農法」から始めると思います。

福岡正信氏が提唱した、いわゆる「自然農法」の派生形なのですが、害虫駆除やら肥料使用などを行わない、オーガニックな栽培法です。

ほったらかし農法のメリット

無農薬栽培でできた野菜の美味しさは知っていますが、そこに高い理想を感じているわけではなく、ほったらかしにできることに魅力を感じています。

半農と言いながら、結局は農業以外のことに時間が割かれ、手はかけられない可能性も高いと想像していますので。

農業が好きで仕事にしたいわけではなく、あくまで食料確保のための半農です。

ほったらかしで食料のある程度が自給できるなら、最高じゃないですか!

 

ほったらかし農法のデメリット

デメリットは、近隣の農家に気を使わないといけないこと、それが物件探しの制約になることでしょう。

生業として近代農業をやっている畑の隣では、無農薬農法はできませんから。

自分の畑で育った害虫が、隣の畑の野菜を食べたりしたら、人間関係にも相当な軋轢を生むことになってしまします。

もはや、これは物件次第ですね。

 

私の場合②:漁業・狩猟

私自身は、ベジタリアンではなく、むしろ肉好きです。

ここの部分も自給できるなら、それに越したことはありません。

野菜はできるだけほったらかしにしたいというのも、肉や魚を自給する時間に充てたいということもあります。

例えば、釣りというと、大方の人は趣味の一つとみなしています。

そんな趣味が、生業の中に組み込めるなんて、楽しくないですか?

 

肉の確保に関しては、長い目で考える

肉を自給したいなら、牧畜などのほうが確実かもしれません。

卵のことを考えると、養鶏という手もあります。

ただ、植物以上に動物は、毎日世話をしなくてはいけなくてはならないので、当面は私自身は難しいかな、と。

メインはwebサイトの運営なので、取材などで数日家を空けることが出てくると思いますので。

「当面は」としたのは、協力してくれる人がいれば、やりたいというこです。

地域のコミュニティと親密な関係ができ、不在時に世話をしてくる人がいればという前提になるので、生活を始めてみないとわかりません。

 

狩猟は、自分のライフスタイルに向ている?

一方で、狩猟なら単発でできるので、あり得るかと考えています。

このあたりの知識はまだあまりないので、勉強していって実現可能か考えてみたい領域です。

 

何なら物々交換という手も

例えば、養豚業者のwebを新規に作ったり、リニューアルしたり、プラットフォーム化したサイトに掲載してあげたりということも想定しています。

そこで単発の収入を得るというやり方もあるのですが、物々交換も面白いかなと妄想しています。

地域通貨みたいなものですが、webをつくってあげたら、豚肉5kgが毎月届くとか、毎週そばを食べさせてもらういう契約ができたらなんて考えると、なんだか楽しくなってきます。

 

私の場合③:大工仕事

私の場合は、農業に手間をかけない代わりに、大工仕事はやるだろうなと想定しています。

「家は、自分でリフォームしちゃえ!」ってことです。

DIYリフォームのメリット

物件取得を安く済ませようと考えるなら、おそらく「空き家バンク」などを利用した古民家になると思うので、そのままでは快適に過ごせないはず。

業者に頼んでリフォームするのもいいのですが、それだと費用がかさみます。

何より、DIYで家をリフォームすることほど楽しいことはないと思ってしまうタイプです。

大人のプラモデルみたいなものなので、お金を払ってリフォームを頼むのは、なんか納得がいきませんw

 

DIYリフォームのデメリット

作業時間はそれなりにかかるはずなので、コツコツやっていくと、少なくとも1年がかりだろうと試算しています。

楽しみなので、作業時間は苦になりませんが、生活する場として考えるなら、早く終わったほうがいいに決まっています。

あとは、これも物件次第ですが、生活しながらリフォームできる設計になっている家か、通いでやらなくちゃいけないかという問題もあります。

 

資格を取るかどうか

家をリフォームするには、資格が必要な場合があります。

例えば、電気の配線は、法律的には電気技師資格を持っていないと扱ってはいけないことになっています。

そういった部分のみ、業者に任せるという方法が一般的ですが、どうせならできる限り資格を取ってしまおうかな?とも考えています。

自分が住む家だけではなく、資格を持っていれば、村の誰々さんの家の電気が断線したとかあったら、ちゃちゃっと直してあげることもできます。

これも、家をリフォームするには、どんな技術が必要かだけではなく、資格に関してもできる限り、準備期間に撮ってしまうと考えています。

 

 

森 薫

雑誌編集者、webコンテンツディレクターを経て独立。コロナ禍を機に半農半X生活へ移行、「X」は表向きライター業、実際は単なる車中泊トラベラー?!

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