良質なタンパク質や豊富な食物繊維・ポリフェノールなど、さまざまな栄養分がたっぷり含まれている小豆。
甘いあんこだけでなく、甘さ控えめのスイーツからおかずまで、レパートリーを増やして、楽しい小豆ライフを送ってください!
「あずき」を育て、食べる
あずきの育て方はこちら▽
田舎暮らしを描いたコミック『リトル・フォレスト』で、小豆は次のように描かれます。
小豆は万能。
未熟な柔らかい小豆は、サッと煮れば、そのまま食べられるし、餅やひっつめに絡めてもいい。
スープの具にもできる。
ほんのり甘く煮たアズキを、マフィン生地に混ぜ込んで焼く。
つめたく冷やしてそのまま
甘く煮た粒あんは、小麦粉と塩、ふくらし粉を水でこねた生地にくるんで、フライパンで焼けばおやき風、蒸せばまんじゅう。
たしかに。
小豆は使い勝手がいい食材です。
つくり慣れていないと、日頃すっかり忘れてしまいがちですが。
ただ、缶詰のつぶあんなどを買っても、なかなか使いきれないという話もよく聞きます。
良質なタンパク質や豊富な食物繊維・ポリフェノールなど、さまざまな栄養分がたっぷり含まれている小豆。
レパートリーを増やして、楽しい小豆ライフを送ってください!
下ごしらえ・味付け
すべての料理に共通する「下処理」と「味付け」の2パートにわけてご紹介します。
あずきの下処理
① あずきをさっと洗って水気を切る
② たっぷりの水を入れた鍋に、①のあずきを入れ、中火で加熱し、アクをとる
③ 沸騰したら、ゆで汁を捨てる
④ 鍋にあずきとたっぷりの水を入れて、ふたたび中火で加熱する。途中、あずきが水面から出ないように差し水をする
⑤ あずきが指で潰せる固さになったら、いったんザルにあげる
おかずなどで使う際は、この状態から調理に。
あんこにする場合は、次の味つけに移ります。
*ポイント
もっとも重要なポイントは、下処理で煮ている間は、味つけをしないこと。
固いうちに砂糖を入れると、あずきが柔らかくなりません。
味付けしてあんこに
⑥ 鍋に入れた仕上げ用の水に、茹で上がったあずきと、あずきの重さと3分の2程度の砂糖、一つまみの塩を入れてやさしくかき混ぜながら弱火にかける
⑦ 5~15分程度煮て、好みの柔らかさになったら火から下ろす
*ポイント①:甘さ
一般的に、砂糖の量はあずきの重さと90~100%くらいと紹介されることが多いのですが、個人的にあまり甘い小豆は好きではないので、小豆の重さの60%くらいをメドに、気分で増やしたりしています。
また、火をおろしてからのほうが甘みが増すので、加熱しながら味見する際は、その分を差し引いて調節します。
*ポイント②:固さ
あんことして仕上げる場合、15分ほど煮ますが、豆好きの方なら、もう少し固めに仕上げても、いろいろ使い道はあります。
たとえば、ほとんどに崩さずにした固さにすれば、豆感を活かした「スコーン」などに使えます。
逆に水分をひたひたにすれば、「ぜんざい」になります。
というように、自分で豆から煮ると、あずきの固さ好きなようにできるので、つくれる料理も増えます。
一回で、いくつかの煮具合の小豆をつくり分ければ、何度もおいしく楽しめます。
レシピ①:「あずきスコーン」
ストーリーの中には登場しませんが、コミック版では章末にレシピが紹介されています。
温度調整可のトースターで焼いたら、ちょっと焦げました。
「あずきスコーン」材料
<材料>
つぶあん:大さじ2杯
小麦粉:150g
ベーキングパウダー:小さじ1.5杯
バター:50g
スキムミルク:小さじ1杯
水:少々
「あずきスコーン」つくり方
① 粉とベーキングパウダー、スキムミルクをふるい、バターと共にもみほぐして粒状にする
⓶ あんこを加え、混ぜ合わせる
③ 水を加え、生地を耳たぶくらいのかたさに
④ 10等分くらいにまとめて、200℃で20分ほど焼く
個人的には、豆が感じられる固さのあずきが好みですが、普通のつぶあんでも、もちろん美味しくできます。
今回は小豆を写真用に表面にみえるように練り込みましたが、水分が飛んでカリっとしてしまうので、むしろ内側に包み込むように仕上げたほうが美味しいと思います。
レシピ②:「あずきマフィン」
スコーンと同じ方向ですが、少しスイーツ寄りで「マフィン」を。
トースターで焼いているので、焦げが出ないように、一般的なカップ型ではなく、フィナンシェのような平たいタイプにしています。
「あずきマフィン」材料
<材料>
つぶあん:大さじ2杯
小麦粉:150g
ベーキングパウダー:小さじ1.5杯
砂糖:50g
※甘さ控えめバージョンです。通常の甘さが欲しい方は、砂糖を70gに
バター:50g
牛乳30ml
「あずきマフィン」つくり方
① ボールにバターと砂糖を入れて混ぜる
② ①が白っぽくなったら、卵を加えて、均一に混ぜます。
③ 薄力粉とベーキングパウダーをふるいながら加え、ゴムベラなどで混ぜる
④ 粉っぽさがなくなったら、小豆を入れ、均一に混ぜる
⑤ なめらかになったら、牛乳を加えて、さらに混ぜ合わせる
⑥ グラシン紙などを敷いた型に⑤を入れ、180℃のオーブンで20分焼く
⑦ 表面にこんがりとした焼き色が付き、竹串などを刺してねっとりとした生地が付かなければ完成
レシピ③:「あずき餅」
ただ、餅に絡めるだけですが、「あずき餅」も美味しいです。
ぜんざいより少し水分が少なめくらいの按配が好み。
ソースのような感覚で、餅の上にざっとかけるイメージです。
レシピ④:「小倉あんトースト」
名古屋では、パンが朝食の家には、バターやジャムと共に「あんこ」が備えられているのが一般的。
当然、名物のモーニングでも、オプションの一つとして必ずと言っていいほどあるメニューです。
トーストにあんこを付けるということではなく、バターを塗り、あんこを載せてからトーストするのがお勧めです。
溶けたバターと温まったあんこのハーモニーが最高です!
レシピ⑤:「かぼちゃと小豆のいとこ煮」
冬至あたりに食べるといいと言われる冬のメニュー。
レシピ⑥:「小豆がゆ」
小正月(1月15日)に食べて悪鬼を避け、疫病を払うという風習を持つのが、「小豆がゆ」です。
「小豆がゆ」材料
<材料(2人分)>
・小豆:カップ 1/4
・ご飯:150g
・もち(小さめ):4個
・三温糖:適量
・水:適量
「小豆がゆ」つくり方
① 下処理したあずきを、鍋に入れ、ゆで汁がヒタヒタになるまで中火で煮詰める
② 鍋にご飯と水カップ2.5を入れて中火にかける
③ ご飯がふくらみ、かゆ状になったら①の小豆とゆで汁適量(カップ1/4程度)、もちを加える。
④ もちが柔らかくなったら完成。
レシピ①:「あずきスコーン」 の元ネタ
『リトル・フォレスト』映画版
『リトル・フォレスト』コミック版
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