写真(フィルム)のアスペクト比について

この間、「なんか、もっと山用にいいカメラを忘れているような気がする」と思っていたのだけど、新宿のマップカメラに行って、ハッと思い出した。
そうか、ローライの2眼レフっていう手があるかもしれないな、と。
ハッセルと同じく6×6判で、フィルムのフォーマットはスクエア。
ファインダーを見ると左右逆の像が映るシステムは、ハッセルと同じだから、慣れてると言えば慣れている。
ローライ2眼のフラッグシップは、「ローライフレックス」。

モデルによって1200g強〜1300g弱と、それほど軽いわけではないけれども、工芸品としては最高の出来だと思う。
カールツァイスのプラナーや、シュナイダーのクセノターがレンズに採用されていて、もちろん写りもいい。
普及版の「ローライコード」は、シンプルな構造で、その分軽い。
約900gといったところ。

セカンドラインとはいえ、レンズや暗箱はしっかりしているので、写りも十分だろう。
ただし、ただし、なのだけど。
ぼく自身、本当は山などの風景では、基本的に横長のフォーマットのほうが適していると考えていたりもする。
山に限らず、人間の目は横に二つ付いているので、横長の方がきまりがいいはず。
そんなことを考えていたら、写真の縦横比(アスペクト比)がちょっと気になりだしたので、ざっと復習してみた。
(↓続きます)


ふつうの35mmフィルムのアスペクト比は、3:2。
デジタル一眼レフも、その慣例からか、ほぼこの比率に揃えられている。
むしろ、家電系メーカーや、コンパクト・デジカメのほうがアスペクト比を融通がきくつくりにしているのが、面白い。
4:3、3:2、1:1から選べるものが多い中で、特筆すべきは、「ライカ D-LUX」や、ライカ系統のLXシリーズを始めとするpanasonicのデジカメなどでは、16:9(≒1:1.78)という横長のフォーマットが使えるようになっていることだろうか。

これは、デジタルハイビジョンと同じ比率。
地上波もデジタル放送になって、アナログ放送でも、今年からほぼすべての番組でこのアスペクト比での放送に切り替わった。
その状況を考えれば、これまでの写真の3:2というアスペクト比より、16:9での絵が多くの人にとって感覚的な基準になっていくのだろう。
けど、このアスペクト比を既に取り入れているメーカーは意外と少ないのは、ちょっと不思議なことかもしれない。
ハイビジョンでの動画撮影機能も付いたデジカメも増えているのだから、その場合、このアスペクト比を選択できないと、辛いと思うのだけど。
さて、デジタルが主流の時代になり、かえって「パノラマ写真」という言葉をあまり聞かなくなったが、35mmフィルムの場合、フルパノラマは、24x65mm(≒1:2.71)だった。
フルパノラマに対する疑似パノラマとは何かと言うと、通常の35ミリ(24mm×36mm)から上下をカットして横長にしたもの。
使うフィルムをだいたい15×36mmくらいの比率にして、パノラマ感を出すシステムで、コンパクトカメラなどでは、このシステムを使っているのが多かった。
大手のカメラメーカーから出ていたフルパノラマの35mmフィルムカメラと言えば、「フジ TX」や「ハッセルブラッド Xpan」などになるだろう。

この2つは、OEM供給していたので、ブランド名とデザインが違う以外、ボディもレンズも、ほぼ一緒のものだった。
35ミリのカメラにしては大きくて重い(レンズ込みで約1kg)けれども、フィルムの途中で標準サイズ(24mm×36mm)とパノラマサイズを切り替えることができるので、1台2役と考えれば、結構、山での使い勝手はいいカメラかもしれない。
ちなみに、先日紹介した「New Mamiya6」も「MF(マルチファインダー)」がついた最終バージョンでは、35mmフィルムでのパノラマ撮影ができる機能が付いていた。
ただし、アダプターが必要なので、フィルム途中での切り替えはできない。
35mmのフルパノラマでは、Horizonなど、レンズ回転式のパノラマカメラもあるけど、おもちゃとしては最高だけど、歪みがひどくて(味があって?)、実用性に乏しいので省略ってことで。
中版(ブローニー)サイズだと、6:12(≒1:2)もあるけれども、最高峰は6:17(≒1:2.84)。
ヨーロッパのカメラメーカーも出していたような気がしたけど、現行でパッと見つかるのは、「ホースマン SW617(official site)」

メーカーHPに作例も載っていた。
もうちょっと引くなり、広角を使うなり、空を広めに出した方が好みなのだけど、やっぱ大自然にパノラマは合うなぁ、と。
ちなみに、中版パノラマで、もっとも個人的に最も印象深いのは、ジョセフ(またはヨゼフ)・クーデルカ(profileはこちらへ)の作品だろうか。
彼は、ネイチャーフォトではなく、「“社会的”風景」を撮っている人だけど。
例えば、こんなの。


(写真をクリックすると、彼のポートフォリオに飛びます。No.45以降が、パノラマ撮影)
いつかこんなカメラを使ってみたいなぁとは思うけれど、重いので、今回は関係ないか。
それに、値段もとてつもなく高いし。
さて、話を戻して、6×6(=1:1)。
引っかかるのは、山の写真で「おお!」と思うスクエアの写真をこれまで、観たことがほとんどない。
アンセル・アダムスが、8×10という大判が面倒になり、ハッセルを使っていた時期もあったそうだが。
そもそも山岳写真というジャンルの作品を積極的に見ているわけではないので、詳しくないのだけど、やっぱりスクエアは向いてないのかなぁという、素朴な不安もフツフツと沸いてきたり。
ただ、6×6には、ハッセル、ローライをはじめ、名機が多い。
カメラ自体を、モノとして見た場合、個人的には、ダントツのNo1&No2。
撮られた写真が好きなのではなく、機械として魅力に感じる……って、主客転倒?
まあ、いいや。
そういうときは、スクエア(ハッセル)で撮られた最高の風景写真、アポロ計画の月写真集「FULL MOON」でも観て、気を取り直そ。

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向いてないフォーマットで、目の前にある風景をむりやり探っていくうちに、何か見えてくるものもあるかもしれない。
って、強引にまとめるしかないかな。

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